学生、10代・20代の若い世代がネット・ITで起業するメリットをお伝えします。学生、起業家などで検索して出てくるページは、ほとんどすべて採用系・採用狙いのページですが、この記事は採用狙いではありません(笑)
超スーパーこの上なく「いい環境」だから
なぜ学生がネットで起業すべきなのか。
本当に、いくら強調を重ねても足りないぐらい、「いい環境」なんです。
少なくとも過去20年、ネットで仕事をしながら見てきた限り、いま現在・現時点が、起業するためにもっともよい環境です。起業するための条件、情報、資金、起業に関連するサービス、何から何までそろっています。
しかも、東京以外の地域でも、起業のためのサービスや資金が得られるようになってきました。ただし、特にB向け(会社向け)のサービスで起業する場合、お客様とつながりやすい意味で東京にいることのメリットが巨大化します。
このような状況の中で「若い世代が起業するため」という切り口で、「いい環境」となっている理由を伝えます。
理由1)オッサンたちがこまっているから
常識的には、「お金あげるよ」なんて言ってくるオッサンがいたら要注意です。悪いヒト、あるいは、悪意をもってだまそうとしているヒトに決まってます。しかし、ネット・IT起業の世界には、お金を出してくれるよいヒトがなんとたくさんいるのです。
「エンジェル投資家」「VC(ベンチャー・キャピタル)」などいくつかの呼び名がありますが、特に、ここ1~2年の間に激増しているのが、大企業が行う「アクセラレータ―・プログラム」です。「企業型アクセラレータ―」「コーポレート・アクセラレーター」などと呼ばれます。
たとえば、「アクセラレータ― カオスマップ」と検索するとこちらのページが出てきます。
108選ということは、アクセラレータ―・プログラムが、除夜の鐘で消される煩悩の数よりもたくさんあるということです!
「アクセラレータ―・プログラム」とは、一言で言うと「経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報は出すから、新しいアイデア・新しい事業を作ってね」ということです。
「アクセラレータ―・プログラム」とは、
経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を出すから、新事業を作ってね、という企画。
多種多様な組織から、いろいろな種類の「アクセラレータ―・プログラム」が出現していますが、おおむね以下のような特徴があります。
- スタートアップ企業、あるいは、創業チームが対象
- 合宿形式(3カ月程度の短期で集中して行う)
- 資金、場所、担当者の他、その組織に特有の技術やサービスも提供される
- 最終日に「デモ・デイ」と呼ばれるお披露目会がある
まさに「だまされるんじゃないか」と思うぐらい至れり尽くせりです。
これは裏を返すと、「巨大な組織の人たちは新製品や新しいサービスを作ることができなくて超こまっている」ということです。社内にいる人材に新事業を作らせようとしてもまったくうまくいかない、という状況であることが、その背景にあります。
もちろん、大企業の内部から新事業や新製品が出てくる事例はたくさんあります。しかし、それよりも「アクセラレータ―・プログラム」の増え方のほうが圧倒的に大きいように感じるのは、うまくいかずに消えて言っている失敗事例が山のようにあることを示しています。
さらに言うと、この状況は、起業家が失敗して創業をあきらめ、大企業への就職を目指す場合にも、有利になることを意味しています。つまり、採用の場で、起業した経験をプラスとみてくれるケースが増えるはずです。少なくとも、アクセラレータ―・プログラムの担当者には適性があるはずですよね。それがなくともいまは「第二新卒」というカテゴリが広まっていて、新卒でなくても受け入れるコースがありますので、学生時代に起業して失敗したあとも就職は可能です。
理由2)マーケティングしなくていいから
「アクセラレータ―・プログラム」が激増している背景には、既存の調査・リサーチや事前のマーケティングがまったく役に立たなくなって、特に大企業にとって「何が売れるのか」がさっぱりわからなくなったことがあげられます。
同じ理由で「リーン・スタートアップ」や「アジャイル開発」という考え方が出てきました。「やってみないとわかりませんね」という考え方が広がっています。
しかし、ここには、10代・20代の若い世代に特権があります。それは過去20年の経験則で裏付けられています。
インターネットが登場して普及した過去20年の間に、ネット系・IT系で大きくなった企業やサービスはほとんどすべて以下の条件のどちらかにあてはまります。
- 条件1)10代・20代が起業した。
- 条件2)10代・20代に最初に広がった。
- 事例:Google、Facebook、Yahoo!、Apple、Microsoft、LINE、Instagram ・・・
10代、20代、学生時代に起業している事例がたくさんあります。
「Amazon」は、ジェフ・ベゾスが30歳で起業しており、残念ながらギリギリ条件からはずれています。
逆に言うと、「経験が少ないことは言い訳にならない」ということです。オッサンたちが何を言おうと、これが未来を創るのだと信じて突き進むことが大成功事例を生んでいるのは、過去の事例からみて明らかです。
理由3)どんなビジネスでも、ネットを使うから
「自分のアイデアは「IT系」じゃないから。」と思ったヒトは、アマい!です。
いまどき、ネットやスマホをぜんぜん使わないビジネスはほとんどありません。
何かのプロダクト・製品を作れば、ネットで説明し、あるいは、ネットを販路として売ることはごく普通です。最近よく聞くようになった「X-tech(クロステック)」「(なんとか)テック」と呼ばれるビジネスは、いままでネットとまったく関係なかった業界とITを結び付けることで台頭してきています。
しかし、既存のビジネスやリアル製品に踏み込む場合、経験の少ない学生が百戦錬磨の職人たちに勝てない場合があります。また、リアルに何かのモノを作った上で失敗した場合、失敗を取り戻して次のチャレンジをするのが非常にたいへんになることが多いのも事実です。
これに比べて、ネット上で展開するサービスは、プログラムをつくったりなど人手の作業は重なるものの、失敗して撤収するときのリスクは小さくなります。
また、逆にうまくいった場合にも、たとえば100人だったお客様が急に10万人になっても即対応できるような技術が普及しています。それなりの技術力や運用力が求められるのは当然ですが、サービスを利用する人が増えさえすれば、たとえおカネを稼げる状態になっていなくても、手配が間に合ってしまう環境になっているのも事実です。さらに、ユーザーが増えればおカネで解決可能になる、という事例がたくさんあります。
そして、もし失敗したあとでも、次のビジネスに挑戦するときに、ネット・ビジネスで失敗した経験と知識が、必ず役に立つでしょう。
理由4)素直だから
起業家は、基本的にヒトの話しをあまり聞き入れません(断言)。
これは、起業家という職種?の性質上、しかたがない部分があります。
つまり、世間や周りの言うことをあまりに聞き入れていると、新しいサービス、世界を変えるようなプロダクトは創ることができないからです。これはたくさんの本に書かれている成功法則でもあります。
しかし、この「人の話しを聞かない」という性質・性格が、世の中に大量の中小企業を作っている原因でもあります。
不思議だと思ったことないでしょうか。
現代には、こうすればうまくいく、こうすれば大企業になれる、という知識が、ものすごくたくさんあります。ドラッカー、一倉定、松下幸之助などが経営理論を広めて、それらをもとに多種多様なマネジメント手法・マーケティング手法が大量に展開されています。
なのに、なぜ、日本の企業の99.7%が中小企業なのでしょうか。うまくいく方法は分かっているのですから、大企業がもっとたくさん増えてもいいはずです。でも、そうなっていません。
この原因をつきつめると、「人の話しを聞かない、聞き入れられない」という一般的な経営者の性格が浮かび上がってきます。
そして、一般的に、年を追うごとに「聞き入れられない」性質・性格は強化されます。言い換えると、オッサンたちは人の言うことが聞けなくなっているのです。たとえば、経営者を続けられる、ということは、ある程度の成功体験があったはずですから、その成功体験を捨てて次に行くことは、理屈で言うほどカンタンなことではありません。
これに対して、若い世代は、そもそも自分が経験不足であることを知っています。若いんだから当然です。経験が少ないので、世の中にもっと経験がある人、よく知っている人がいるだろう、ということを前提として持っています。
逆に言うと、若いうちはあまり人の言うことを聞かずに突っ走ったほうが成果が出やすい、とも言えます。もともと人の言うことを素直に聞こうという姿勢を持っている人が多いからです。
これに対して、ある程度年をとったら、ヒトの話しを素直に聞く姿勢を重要視すべきです。経営者だけでなく、部長や課長などの中間管理職であっても、ヒトの話しを聞き入れた上で、やる/やらないの判断をすることが求められます。
とはいえ、知識と経験がないがゆえに、言われていることが理解できないので聞き入れられない、という場合があります。若い世代の起業家によくある失敗をさせないようにしようと思うと、いかに短時間で伝えられるかが課題になってきます。「起業の科学」で有名な田所 雅之氏が、3000ページもスライドを作らなければならなかった理由が、わかるような気がしてきます。
まとめ
学生、10代・20代の若い世代が、IT・ネットで起業することのメリットを、4つに絞り込んでまとめました。
お役に立てば幸いです。
コメント