マーケティングファネルとMAの、きってもキレない関係

マーケティング

今回は、100年以上生き残るマーケティング・テクニックである「マーケティング・ファネル」を紹介します。

「マーケティング・ファネル(Marketing Funnel)」 は、”じょうご”

「マーケティング・ファネル(Marketing Funnel)」(マーケティング・ファンネル」とも呼ばれますが、この記事では、「マーケティング・ファネル」で統一します。)という概念は、なんと1898年に提唱されていたそうです。

伝統的には、「パーチェスファネル」と呼ばれていました。直訳すると「購入の漏斗(じょうご)」です。

上述のWikiによると、当初は「AIDMA」に近い概念だったことが想像されます。(※「AIDMA」については、この記事を参照してください。)

いろいろと変化しながらこの言葉が100年生き残った原因は、ファネル(じょうご)という「たとえ」がうまくてわかりやすかったことではないかと思います。

100年の間に、「マーケティング・ファネル(Marketing Funnel)」と呼ばれるようになりました。

1990年代の「マーケティング・ファネル」

1990年代に私が学んだときは、このような概念で提示されていました。

「潜在顧客」とは、「潜在」ですから、まだ目に見えていないお客様のことです。

「見込み客」とは、「潜在」から目に見えるようになった、つまり、多くのビジネスでは「連絡できる状態になったお客様」のことを指します。

見込み客が買ってくれると購入したお客様に変化します。

購入したお客様が繰り返し買ってくださるようになるとリピーターとします。

「ロイヤルカスタマー戦略」などでは、購入したことがあるお客様からいかにリピーターを増やしていくかということを重視します。

上から順に人数が減っていきますし、上からだんだんと下に下りてくるので、漏斗(じょうご)のイメージにぴったり重なります。

「ヒトを分類するなんて!」と拒否反応を示す方もいらっしゃるのですが、マーケティングにおいては顧客の分類・区別(差別ではなく)をすることはとても大事です。

このお客様の分類のしかたを工夫すると、売上増や利益増を実現できることがありますので、マーケティングのキモの部分につながっています。

分類するのは、打ち手を考えるため

分類するのは手段です。

その目的は、それぞれの顧客に合った打ち手・対策を立てることです。

まずお客様の人数や売上規模を把握する必要があります。それぞれに対して打ち手を考えたときに、全体としてどれぐらいインパクトがあるか、つまりどれぐらい儲かるかを計算できます。調査・分類して優先順位をつけることは=戦略・作戦を立てることを意味します。

こういうお客様に対してこうする、という打ち手自体は戦術です。

たとえば、

  • 購入したお客様に特典付きDMを送って →→→ リピーターに変身してもらおう、
  • 潜在顧客に広告を出して→見込み顧客に変えよう、

などです。

戦略を立てて優先順位がついていれば、短い時間で効率よく売上を上げていくことができます。

「MA:マーケティング・オートメーション(Marketing Automation)」 の出現

21世紀に入り、「MA:マーケティング・オートメーション(Marketing Automation)」という業界、製品カテゴリーが出現しました。

この「マーケティング・オートメーション」を説明するのに、「マーケティング・ファネル」が使われるようになりました。

画面が横長になったためか、ファネル自体は横に倒されて左から右へお客様が流れる説明図が多くなりましたが、基本的な概念、つまり前述したような、それぞれのお客様に対してそれぞれの打ち手(一般的に「シナリオ」と呼ばれます)を実行する、ということ自体は変わっていません。

ただ、IT技術、ネットの技術で、ものすごく細かく、ものすごく多種類の、複雑な打ち手を、自動的に動かすことができるようになったことが、「MA:マーケティング・オートメーション」の開いた世界です。

そして、お客様をファネルの奥に誘導する行為自体を「ナーチャリング(nurturing)」と呼ぶようになりました。

たとえば、見てるだけのヒトが買ってくれてリピーターになる、という状況を演出、誘導することを、育成・育てることにたとえています。

まとめ

「マーケティング・ファネル」の歴史的経緯を振り返りながら、「MA:マーケティング・オートメーション」の概念を紹介しました。

お役に立てば幸いです。

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