「民泊」という言葉がテレビのニュースで飛び交うようになりました。
「Airbnb(エアービーアンドビー)」というサービスが世界中に広まり、日本にも入ってきて「民泊」ムーブメントの中心軸となりました。
ネットのサービスにはよくあることなのですが、日本の法令が「Airbnb」に追いついておらず、何が合法で何が違法なのか、ホテル旅館業界の規制や既存の利権とからんで、グレーな状態が続いていましたが、2018年6月から新法が施行され、黒白ハッキリすることとなりました。
「Airbnb」は、シェアリング・エコノミーの成功事例としてよく取り上げられています。この記事では、「シェアリング・エコノミー」とは何なのか、その本質を明らかにします。
「シェアリング・エコノミー」とは、
「シェアリング・エコノミー」とは、
空き時間をこまかく売れるサービスの総称。
ネットのテクノロジーを使うことで、「空き時間」の売り買いが可能になりました。
事例:「Airbnb」(エアビーアンドビー)
たとえば、「Airbnb」は、使っていない空いている部屋を貸し出しておカネが受け取れるサービスです。(もともとはこうだったのですが、商売になるとわかったヒトたちがこのためだけに物件を借りて貸し出す、という形態も現れました。)
本質的には、部屋を使っていない「時間」を売っていると言えます。
事例:「Uber」(ウーバー)
「Uber」は、スマホでかんたんにタクシーを呼べるサービスですが、「シェアリング・エコノミー」の文脈で考えると、走っているクルマの「空いている席」をバラ売りできるサービスです。
これをもっと厳密にしたのが、いわゆる相乗りを斡旋、マッチングしてくれるサービスです。
ちなみに、「Uber」も日本に進出していますが、残念ながら(?)単なるハイヤー手配アプリとなっていて、六本木周辺から始まり、2018年5月現在は、東京、横浜、京丹後市、大阪市での展開となっています。
国内でシェアリング・エコノミーになってない理由は、タクシー業界が守りきっている岩盤規制と言えるでしょう。ホテル旅館業界より、ネットの洗礼(?)をうけた量が小さく、守り切る力があったのだろうなぁと想像しています。これが数年後10年後にどうなっていくのか、タクシー業界にとってよかったのか、日本人にとってよかったのか、がだんだんわかってくると思います。
巨大な時価総額と影響力を背景に、新ビジネスが次々と
「Airbnb」は時価総額2兆円、「Uber」は時価総額5兆円を超えて、世界中で大きなムーブメントになりました。そして、「**版ウーバー」「**版エアビー(Airbnb)」と称するビジネスが大量発生しています。「シェアリング・エコノミー」を称することで、ベンチャーへの投資判断が早くなったり、株価があがったりする時期が続きました。
事例:「pager」
たとえば、「pager」というサービスが出てきました。
日本ではいわゆるポケベルがページャーと呼ばれていた時期があり懐かしさを感じる世代のかたもいらっしゃるはずです。 しかし、このサービスは「空いているお医者さん」を呼び出せるサービスです。「ヘルスケア版ウーバー」と言われていて、つまり、タクシーではなくドクターが来てくれるわけです。
このWebサイトを見ると、感動するほどシンプルに英語がよくわからなくてもわかる説明となっています。24時間体制で看護師とチャットでき、空いている医者を探せます。
このシンプルさと切実なニーズに、成功の匂いを感じます。
事例:「ラスクル」
ここまでの事例は、すべてC向け、つまり、Customer,あるいは、Consumer向けのサービス提供、あるいは、CとCのマッチングサービスでした。
しかし、B2Bで、しかも日本国内で上場した企業が現れました。
「ラスクル」という企業で、以下の2つのビジネスを主軸としています。
どちらのサービスも、ユーザー企業側は、通常比較選択しにくいサービスで選べる状況を作っており、また、アウトソースを手軽に使えて、安くなる期待感があります。
一方、サービス提供する企業側は、共通の悩みである集客をしてもらえ、稼働率を上げることができます。
抱えているリソースのの空き時間を減らすことが非常に重要な業種として、ホテルや飛行機と同じように、印刷機、トラック、ドライバーなどをとらえたことが、成功要因だと考えます。つまり、多少安くてもいいから稼働してほしいというニーズを解決しています。
「ラスクル」は、2009年創業して、2018年マザーズ上場後に時価総額385億円を超えました。10年で400億の価値を創り出したことになります。
まとめ
「シェアリング・エコノミー」の本質をできる限り短くカンタンにまとめました。
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