学生からの起業相談に臨む3つの姿勢

マネジメント

私は毎回講義の前後に、学生からの個別相談の時間をとっています。

個性豊かな学生たちと面談を重ねていくうちに、面談に対する私のスタンスがだんだんかたまってきました。そこで今回は、私が個別面談に臨む基本姿勢・スタンスを紹介します。

起業の相談が多かったので、学生起業家、あるいは、起業をしたい学生を想定していますが、何かやりたい若い世代、あるいは、「そういう若者から相談を受ける立場」の20年以上歳を重ねた方々にも参考になることを目指します。

今回はその基本姿勢・スタンスを3つにまとめます。

姿勢1)何をなすか(What)について、一切言わない。口をはさまない。

1つ目の姿勢は、何をやるか(What)について、一切口を出さないことです。

「What」については、個人的な評価やポジ・ネガ、どう思うかを一切出さないようにします。

これに対して、相談者は、何をやるかについての評価を、非常に気にしています。

特に最近の若い世代は空気を読むのが得意ですので、巧妙にこちらの気持ちを引き出そうとします。これに対して、断固抵抗して評価を見せないようにするのは、実際は苦労します。

口をはさんではいけない理由については、ときどき書いています。

「何をなすべきか」は、「行動量」で発見していただくことであって、理解もできない老害が言うべきことではないからです。

ですので、「行動量」を増やして、成功するルートを自ら見つけ登っていってもらうのが、私の目標です。

よって、バカバカしいと思えるアイデアであったとしても、少しほめる形になることが大半です。

つまり、前進する力を強めなければならないのです。背中を押してあげて、正解にたどりつく・成功に向かう確率を少しでも上げなければなりません。

よって、相談相手が元気になって帰っていくかどうかが、面談が成功したかどうかの一つの指標です。

姿勢2)どうやってやるか(How)について、ガンガン言う。

逆に、「What」ではなく「How」の部分、どのようにやるか・手段の部分については、ガンガンに言います。

「How」については、経験者の智慧が生きるからです。

相手に抵抗されるようなことでも、「How」については強く言い、やらせるように仕向けます。

たとえば、昨今のマーケティングでは、初期の段階でインタビューすることがよく勧められています。

口で言うのはカンタンですが、実際にやるのは勇気が必要です。しかも、本人たちがやらないと意味がなく、代わりにやってあげることはできません。相談者の個性にもよりますが「インタビューをやれ」と説得するのは力がいります。

また、「How」を提供するときに注意するのは、「行動量」が増える方向に導くことです。

これによって、「行動量」を増やす →  スピードを速める・加速させる、ことが目標です。

しかし、実際に経験がある方なら、「WhatとHowをちゃんと分けられるのか?」と思われるかもしれません。そこをビシッと分けるのが「経験者の智慧」でもあります。

姿勢3)聞き入れるべき部分と、聞き入れない部分を分ける

外野からの、聞き入れるべき部分と、聞き入れるべきでない部分を明確に分けます。

話しを聞きながら、できるだけ論理的、理性的に分析して、聞く/聞かないを仕分けていきます。

たとえば、前述のとおり、老害からのWhatに対する横やりは無視させます。

逆に、顧客と定めた相手の声や、データから読み取れるお客様の行動については、逃さず聞きとって分析し、行動に転化させる必要があります。

誰かから言われたことに対して、感情的に反応していることも多いので、クールになだめながら、それに対する評価と対応を判断させます。

すばやく明確に仕分けていくことで、スピード・アップにつながります。

結論)スピード・アップを目指す

どの姿勢も、結局結論は「スピードを上げる」、それにより「行動量を増やす」ことにつながっています。

「迷いを減らす」と表現してもいいかもしれません。「迷いを振り払う」ことでスピードが上がります。

また、ビジネス現場において、「スピードが付加価値に変わる」は普遍の法則です。

目指すイメージ)ブルーインパルスに並走する機体

最近、コロナ流行やオリンピックで、都心の上空をブルーインパルスが飛ぶ機会がありました。

みんな大好きなのか、上空を見上げて撮った画像がSNSに大量に出ました。つまり、素人の写真です。

するとそこに、報道に出るプロの写真を見ているだけでは、絶対に映らないものを見つけました。

それは、後ろから煙を出す5機の横や後ろに並走して飛んでいる一機の機体です。

同じような観点を持つ人はいるらしく、記事が出ています。

502 Bad Gateway
  • 煙は出しません、
  • 写真にもテレビにも映りません、
  • しかし常に並走しています、

この「ブルーインパルスに並走する一機」が、私が面談に臨むイメージそのものです。

【参考】20歳と50歳がタッグを組む

この「ブルーインパルスに並走する一機」からさらに一歩踏み込んだ提言をしているのが、有名な「神田 昌典(かんだ まさのり)」です。

著書「マーケティング・ジャーニー」では、大学を出てまもない娘とセカンド・キャリアの親父が共同創業する事例が紹介されています。

老害には理解できないがこれから先の近未来に超求められる「What」と、熟練の経験者の智慧が生きる「How」とを組み合わせたら、最強ですよね成功するしかないですよ、というわけです。

ここまでに至る信頼関係ができることは、望外の喜びでしょう。

まとめ

若い世代からの相談、個別面談に対して、私の基本姿勢・スタンスを紹介しました。

お役に立てば幸いです。

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