企画書、あるいは、提案書の形式や体裁(ていさい)には、ある程度のセオリーというかルールがあります。
業種や業界によっていろいろなルールがあり、特有の提案書フォーマットが有名になって外にまで広がっている企業もあります。
今回は、企画書作成のセオリー、コツを4つにしぼってお伝えします。
この内容は、ホームページ・Webサイト制作の企画書・提案書での知見がもととなっていますが、他の業界や企業の中での企画書にも利用できるものです。
セオリー1)紙の使い方は、「A4横」が基本
企画書は通常、横書き、横向きです。
パソコンの画面が年々横長に伸びていっていることも影響しているかもしれませんが、スライドでの投影が一般的になる前の、紙の時代から横向きがセオリーでした。
学校ではB4,B5などのB版が多かったかもしれませんが、ビジネスではA版が多く、企画書を印刷するときも「A4」が一番よく使われます。
「A3横の紙の資料」でプレゼンする例
その倍の大きさの「A3」が好みのプランナーもいます。
たとえば、先日見かけた番組で「ブランドプロデューサー・柴田陽子」という方の仕事が取材されていました。画面にはちらりとしか映りませんでしたが、A3横の紙の企画書でプレゼンをしていました。
この方の仕事は企画書が成果物です。「プロデューサー」と名乗っているのは、そのあとの企画・プランの実行まで面倒をみるからだと想像しますが、その前段階として企画書に表された企画が認められることが前提です。
そういう方が、スライドやプロジェクターを使わずに、「A3横の紙で」プレゼンをしていたのが印象に残りました。(もしかしたら単純にその日プロジェクターが使えなかった可能性もゼロではありませんが……)
紙を使うことで、手元の字を大きくできて読みやすい、質感を確認しやすいなど、いろいろなメリットがあります。しかし、いま一番良く使われているのは、パワーポイントのスライド投影でしょう。
セオリー2)1ページに1メッセージ
言いたいことは、1ページに1個にしぼってください。
何が言いたいのかが一発でわかることが、とても大事です。特に忙しい経営層・エクゼクティブに話しをするときにはとても重要です。
画面を投影するスライドでは、ページ数を増やすことは比較的気になりませんので、1スライドに1メッセージを徹底すると、それだけで急にわかりやすいプレゼンに変わることもあります。
また、言いたいことを画面(ページ)の決まった位置に、同じ体裁(フォント・書体や色、囲む、など)で配置しておくと、効果が上がります。他の部分を聞きのがしても最悪ココだけわかればOK、ということが相手に伝わります。
セオリー3)結論を先に、理由をあとに
ビジネスでのコミュニケーション全般に言われることですが、結論を先に言う、言いたいことを先に短くまとめて言って、あとからその説明を加える、という形式をとります。このことで、せっかちで忙しいヒトたちに話しを聞いてもらえる可能性が上がります。
先にあげた「1ページに1メッセージ」の、主たるメッセージを上の方に配置することをセオリーとする業界もあるそうです。たとえば、外資系コンサル業界では「パンチライン」「パンチラ」と呼んで、主たるメッセージを一番上に配置するそうです。
私自身は、このパンチラインに該当するものを、画面の一番下に配置することもよくあります。一番上にはたいてい「タイトル」があるので、バランスや見やすさを考えて下に置きます。
また、企画書全体の中でも、一番言いたいことを先に入れます。具体的には、全体で10ページ、20ページある企画書の冒頭3枚目ぐらいで、主軸となるコンセプトや戦略を言ってしまいます。
また、大企業の大きなプロジェクトでは、企画書が50ページ、100ページになることもめずらしくありません。担当者にはすべて必要な情報かもしれませんが、話しを聞いている時間が少なく実行を判断する経営層には短く要約して伝える必要があります。
このために、「エグゼクティブ・サマリー」と呼ばれる要約版をつくることがよくあります。たとえば、100ページの企画を3ページぐらいにまとめて、これがこうしてこうなります、ということが短い時間で伝わるように工夫します。
セオリー4)同じ位置に同じものを配置
同じ位置に同じもの、同じ意味をもつものをレイアウトすることが大事です。
すべてのページに必須の要素は、「タイトル」「ページ番号」の2つです。そしてたいてい入れるのが、提案者・作成者を表すロゴ画像、コピーライト表記の2つです。
これら4つは、1mmもずれずに常に同じ位置に配置してください。ページによって多少広がったり隠れたりするかもしれませんが、位置をずらさないことがとても大事です。
これは、スライドソフトのテンプレート機能を利用すればカンタンに実現できます。Microsoft PowerPointでいえば「スライドマスター」と呼ばれる機能です。
まとめ
企画書を作成するコツ、基本的なセオリーを4つに絞り込んで紹介しました。
お役に立てば幸いです。
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