この記事では、スタートアップ・チームが「Alexaスキル」の開発でマネタイズ(お金儲け)することの可能性を紹介します。
「Alexaスキル」とは、スマートスピーカーのトップを走り続ける「Amazon Echo」のカスタマイズができる仕組みです。スマートスピーカーのスマホアプリみたいな感じでダウンロードできます。
穴場感が漂う、Alexaスキルのダウンロードページ
何はともあれ、実物を見てみましょう。「Alexaスキル」と検索すると、次のようなダウンロードページをみることができます。
正直に言うと「サムイ!」(ごめんなさい・・・)
かなりお寒い印象です。
人気スキルとしてピックアップされているものを眺めると
- ネタ(ピカチュウ、ひょっこりはん、など)
- 日常利用のツール(ニュース、天気、占い、など)
- 子供向け(おにから電話、じゃんけん、など)
いろいろな会社がテスト的にリリースしているものの、大ヒットや話題作は出ていないようです。
日本国内でスマートスピーカーが続々と発売されたのは2017年ですから、2019年の現在はまだ黎明期と言えそうです。
国内では200万台ぐらいありそう
Alexaスキルが動くためのデバイス「Amazon Echo」はどれぐらい売れているのでしょうか。
Techcranchの記事で紹介されていた電通デジタルの調査によると、「Amazon Echo」を持っているのは「2.4%」ということでした。
調査対象の15歳から69歳までの人口は7800万人ぐらいなので、単純に「2.4%」をかけると187万人→ざっくり「200万人」ぐらいがユーザーになりえる人数です。
また、この記事の調査によると、アメリカ国内では成長率が下がり飽和状態に近づいているものの「4600万人」ぐらいのユーザー数が最大値です。(ざっくりと推計した数字です。)
マネタイズ・お金儲けの手段としての「Alexaスキル」
次に、マネタイズ・お金儲けの手段を紹介します。
スマホアプリでは、iPhoneであれば「AppStore」、Andoridであれば「Google Play」でユーザーからお金を集めてくれますが、そのような仕組みがあるかどうかを調査します。
手段1)AmazonPay
「●●ペイ」が高い還元率で話題になりましたが、Amazonにもあります。それが「AmazonPay」です。
そして、自分で開発した「Alexaスキル」から「AmazonPay」を利用してユーザーにお金を使ってもらうことができます。
「AmazonPay」は、日本ではいまひとつの普及度の「PayPal(ペイパル)」に近い感じで、いつもお買い物しているAmazonのアカウントをそのまま使って、Amazonのお買い物以外のサイトでも支払いができるサービスです。
AmazonのEC・ネットショッピングのシェアを考えると、かなり多くの人が手軽に使える手段であるはずですが、実際にはあまり見たことがありません。
手段2)Amazonからのお小遣い制度:リワードプログラム
「Alexa開発者リワードプログラム」は、人気のAlexaスキルを作ってくれた人にAmazonから報奨金が出る制度です。
「Alexaスキル」の開発者を増やしてコミュニティを盛り上げ、Amazon Echoの販売にも貢献する目的だと思われます。
前述のとおり、よく言えば黎明期、悪く言えばお寒い現状のいまは、かなりたくさんの費用が投入されている可能性があります。逆に言うと、「Alexaスキル」が十分に盛り上がってくると報奨金が下がっていく可能性もあるので、「今がチャンス!」です。
「Alexaスキル」自体にお金を稼ぐ仕組みが無くても、たくさんダウンロードされてたくさん使われていれば、ある日Amazonからお小遣いあげますとメールが来る、ということです。
実際にいくらもらえるのかは非公開のようです。販促目的であれば、予算を増やしたり減らしたり、つまり、開発者に支払われる量は変動すると思われるので、料率を公開することはできないでしょう。
よって、もらえるのかもらえないのか、いくらもらえるのかが事前にはまったくわからないのが、この手法のデメリットです。
手段3)大本命が日本でも開始!:スキル内課金
大本命ともいえるスキル内課金は、スマホアプリ(AppStore、GooglePlay)と同じような支払い・課金手段を提供するものです。
アメリカやイギリスで先行して利用できるようになっていたのですが、なんと2019年5月末から日本国内でも利用可能となりました!
ピンハネ率(笑)は30%で、スマホアプリと同じぐらいです。
スキル内課金ができたことで、「Alexaスキル」でのマネタイズ・お金儲け環境が整った感じがします。
番外)コンテストで賞金を狙う
前述のリワードプログラムに近いですが、Amazonが公式に開催しているコンテストで賞金を狙う方法があります。
2019年のコンテストは残念ながら募集が終わっていますが(2019年9月現在)、気になる賞金は1等の最優秀賞がAmazonギフト券「10万円」!!です。
募集期間の前には、審査員が立ち会うワークショップも何度か開催されており、どのあたりを狙うと賞金が出やすいか(笑)など情報が得られる仕組みがあるので、やる気次第で1等賞が狙えます。
リワードプログラムと同じように、「Alexaスキル」の開発者コミュニティが十分盛り上がってきて、ダウンロードできるスキルがどんどん増えてくるまでは行われると思います。ヒト、カネ、場所をどんどん提供する意欲が見えますので、賞金ももっと上がっていくかもしれません。
プログラムがそんなに書けないんだけど・・・あきらめないで!
「Alexaスキル」を作るのは、スマホアプリをつくるのと同じ感じになるので、プログラムの知識が必要です。
いろいろなプログラム言語で開発できますし、公式のドキュメントもどんどん充実してきていて、初心者でも取り組めるコンテンツも公開されています。
ただ、クラウドでは比較的新しい技術であるサーバレス、つまり、「AWS Lambda(ラムダ)」の利用が推奨されていたりして、学習コストはそれなりにあります。(むしろサーバレスを使うことで開発や運営の手間は減るのですが)
テック・スタートアップ、つまり、開発者がチームにいる場合にはそれほど難易度は高くありませんが、文系チームにはちょっとハードルが高いかもしれません。
しかし、あきらめるのはまだ早いです。プログラミングのスキルがなくても「Alexaスキル」が開発できるサービスが国内でも登場しています。
「NOID(ノイド)」には、無料で利用できる枠があります。無料枠では、セッション数(おそらくは同時接続できるユーザー数)に制限があるので爆発的に利用が増えたときには有料になることを覚悟しなければなりません。
しかし、アイデアを部分的でもいいから具現化、目に見える形にして試す場としては、十分活用できると思いました。
まとめ
「Amazon Echo」のカスタマイズができる「Alexaスキル」について、マネタイズ・お金儲けの可能性を追求しました。
スタートアップ・チームが「Alexaスキル」に取り組む理由については、次の記事で深堀りします。
お役に立てば幸いです。
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