今回は、「ペーパープロトタイピング」とその準備、つくるときに考えておくべきことをコメントします。
「リーン・スタートアップ」あるいは「MVP」の流れの中に位置づける「ペーパープロトタイピング」
新製品や新サービスを企画するときに「リーン・スタートアップ」と呼ばれる手法がよく使われるようになりました。
「リーン・スタートアップ」では製品やサービスを早く出して、それによって学習することを勧められます。そして、製品やサービスをものすごく速く出すための考え方も提示されています。
それが「MVP(Minimum Viable Product)」です。
ネットのサービスを企画するときに、「MVP(Minimum Viable Product)」を実現するための手法として「ペーパープロトタイピング」があります。
「ペーパープロトタイピング」とは
「ペーパープロトタイピング」とは、要するに、紙芝居です。
このイメージを見るには画像検索しましょう。
たとえば、スマホアプリで言えば、出てくる画面を順番に描いていきます。
このとき、主要なボタンや選択肢を描いて、ここを押したらこの画面に、あれを押したらあの画面に、と順番に作っていくことになります。
このように、プログラマーでなくても、だれでも作れる手軽な手法ですが、やみくもに作っても生産性は上がらず、「MVP」の役割を果たすかどうかもわかりません。
「何に使うか」を決める
「MVP(Minimum Viable Product)」としての役割を考えたときに、「何に使うか」を考えてから描くことは重要です。
たとえば、ユーザーインタビューに使うのか、チームのメンバーに見せるのか、上司の判断をあおぐため、企画書に入れるため、あるいは、自分でアイデアを練るためだけに、という場合もあるでしょう。
描くということは、自分を含めた誰かに見せるということを意味しているので、「何に使うか」→「誰に見せるか」と言い換えることもできるでしょう。誰に見せるかによって、どの程度詳細に描くか、どこを見てほしいのか、どこは見なくていいのか、どこを対象にテストしたいのか、を決めることができます。
ペーパープロトタイプの精度があがっていった場合には、それがそのまま設計図となることもありえます。Web制作でよく作られる「ワイヤーフレーム」と同じ役割を果たすこともできます。
「ペーパープロトタイプ」をつくるまえに、準備するもの
事前に準備することで、プロトタイプをつくるときの生産性が変わります。準備しておくとよいものを順に紹介します。
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップそのものの解説や、作り方については次の記事を参照してください。
カスタマージャーニーマップを作っておくことで、ユーザー体験(UX)全体のなかから、この部分をつくるのだという意識が生まれます。
必要なものが必然的にわかり、実際に使われる場面にぴったり合った画面構成を描くことができそうです。
企画書
「カスタマージャーニーマップ」までまとまっていなくても、プロトタイプをつくる段階で企画書があることは多いでしょう。
目指す目標や、ターゲットユーザーの顔を思い浮かべながら、プロトタイプをつくりましょう。
ユーザーが喜んだり幸せになったりすることをイメージ(妄想?)できれば、プロトタイプの精度も上がっていきます。
フロー図
カスタマージャーニーマップや企画書から一段階ブレークダウンして画面に落とし込む前に、フロー図をつくると作業が楽になることがあります。
画面のタイトルだけつけて、どんな画面がどんな順番で出てくるとよいかを書き下していきます。
ただし、プロトタイピングの段階では、プロトタイプ画面を作った上でフロー図を書き換えていくことも必要です。実際に画面を具体的に描き起こすことで、フロー図をつくっていた段階では見えなかったものがたくさん見えてきます。
この段階でつくるフロー図を完璧なものと考えないことが大事です。
何もなし
いきなり画面が浮かんできて、アイデアを書きとめる、ということもあります。
「アイデア一発!」という打ち出しで成功することもありますが、なかなかそういう幸運には恵まれない凡人は、アイデアを書きとめた後にカスタマージャーニーマップなどに立ち返りましょう。
ペーパープロトタイピングをさらにベンリにするツール
プロトタイピングを行うツールについては、この記事を参考にしてください。
まとめ
「ペーパープロトタイピング」を行うときに、考えておくべきこと、準備しておくべきことをまとめました。
お役に立てば幸いです。
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