「速読法」にはいろいろな種類があり、どれを信じたらよいのか、どれをやったらよいのか、わかりにくいです。
そこで、この記事ではもっともシンプルな手堅い速読法を紹介します。
もっともシンプルな速読法
いきなりですが、結論です。
もっともシンプルな速読法は、「知識を積む」こと。
知っていることは、読み飛ばすことができます。
知っているから、じっくり読む必要はありません。
だから、速読できます。
知っていることは、すばやく理解できます。
知っているから、何を言おうとしているのか、すぐにわかります。
だから、速読できます。
よって、知れば知るほど、速く読める、つまり、速読できるようになります。
「知識を積むために速読するんじゃないのか?!」
というツッコミが聞こえてきそうです。
そこで、知識を積むために効果的で、しかも誰でも速読できちゃうお得な手法を紹介します。
応用技:かため読み(固め読み)
この法則を応用した「かため読み(固め読み)」という方法・速読法を紹介します。
この「かため読み」という方法は、自分にとってまったく未知・門外漢のテーマに挑戦するときに、とても有効です。
「かため読み(固め読み)」をヒトコトで言うと、
「同じテーマの本を、半日から1日ぐらいで一気に何冊も読む」という方法です。
手順1)巨大な書店に行く
Amazonなどのネット通販で買うのが普通になって、リアル書店・本屋さんには私もすっかり行かなくなったのですが、このときだけは本屋さんに行きます。
東京都内での個人的オススメ巨大書店は、次の2つです:
丸善・丸の内本店
東京駅の丸の内口、北西方向に出てすぐです
ジュンク堂書店 池袋本店
池袋駅の東口から出て、南に歩いて5分ぐらいです。
手順2)棚をできるだけまるごと買う
狙いのテーマの棚を見つけたら、その棚にある本をできるだけすべて、まるごと買います。
20冊から30冊ぐらいが目安です。
これには大きな意味があります。
棚をまるごと買う=品ぞろえの知恵をまるごともらいうける
書店の品ぞろえには、それなりの担当者、店員、店長の知恵が集約されています。これは目に見えませんし、アピールする人がだれもいないので、なかなか気がつかないのです。しかし、自分がある程度知識を積んだテーマのコーナーに行くと、その知恵の片鱗を感じることができます。
巨大な書店に行く理由は、それなりの人材がそろっていて、その高度な知恵がその棚の品ぞろえに投入されていることが、期待できるからです。
棚の本をまとめてまるごと買うことで、その知恵をまるごともらい受けることができます。
自分がよく知らないテーマ・門外漢であれば、その知恵をもらえることの効果、特に時間の短縮効果は絶大です。
ですから、その品ぞろえで棚を作った店員さんに敬意を表し、心の中で感謝しながら、まるごと買います。重いからとその場でAmazonで買ってはいけません笑。実際、通販では在庫がない書籍も多く、貴重な本がさらっと手に入ります。
手順3)半日から1日、時間を確保する
半日から1日程度、時間を確保してください。
かため読み以外のことができないように、環境をつくって自分を追い込んでください。
年末年始の1日を「かため読み」に割り当てるのが、オススメです。私自身は、毎年、年末年始の1日を、これにあてています。
手順4)一気に全部読む
そして、買い込んだ本を、ぜんぶまとめて一気に読みます。
これには2つの効果があります。
効果1)同じことが書いてあったら、その部分は読み飛ばせる=速読できる
同じテーマの本ばかり買っているわけですから、前に読んだ本と同じことが書いてあることもよくあります。
そうすると、その部分は覚えているので、読み飛ばせる=速読できる、ことになります。
普通に本を買って読んでいると、「あー同じこと書いてあるよ、損したー!」となるのですが、「かため読み」ではこれがメリットになるわけです。
効果2)記憶の定着に有効
読んだ内容は、どんどん忘れてしまいます。
そんなの忘れないよと思った方は、有名な「エビングハウスの忘却曲線」を見ていただくとよいです。
1日1冊読んだとすると、前日に読んだ内容をなんと7割ぐらい忘れてしまうのです!
忘れたことは知らないことなので、効果1)がなくなり、読み飛ばすことができず、速読できなくなってしまいます。
これがほんの何十分か前に読んだことであれば、読んだことを思い出せる=知っていることとして、読むことができます。
そして、読んだことのある内容を、まだ覚えているうちに繰り返し目にすることで、記憶を定着させる効果が出てきます。
同じテーマの本に繰り返し出てくるということは、それなりに重要なテーマである可能性が高いので、重要なことから順番に覚えていくことになり、効率よく学習ができて、狙ったテーマの掌握がしやすくなります。
かため読みのデメリット
いいことずくめの「かため読み」ですが、デメリットもあります。
デメリット1)おカネがかかる
1冊平均1,000円だとしても、20冊買ったら2万円かかります。これは学生さんはもちろん社会人にとってもそれなりの覚悟が必要な金額かもしれません。
逆に言うと、読む前に大金を投入してしまうことで、絶対にここから効果をあげなければならないという、自分を追い込む効果も期待できます(笑)
デメリット2)場所をとる
毎年年初に20冊、そして、そこから気になる本が出てきてそのあとまた買って読んだりすると、本がどんどん増えていきます。
最初の結論どおり、知識を積むと速読できるので、読むスピードが上がるにしたがって、本の増え方がどんどん加速していきます。
かといって、電子書籍にしてしまうと、物理的に積みあがった本が見えないために、達成感がかなり弱まるのです。
悩ましいところです。
解決案)図書館で「かため読み」
これらデメリットを解消する手段として、「図書館でかため読みする」という方法があります。
しかし、経験的には、品ぞろえの知恵が劣ります。
書店よりも裁量範囲が小さいのでしょうか。理由はわかりませんが、経験的・一般的に巨大書店よりも劣る傾向があります。
また、図書館で読む・借りる本の場合、赤線を引いたり、書き込みしたりすることができません。速読するには、情報のピックアップ作業をものすごくすばやく行う必要がありますので、これは大きなデメリットです。
「かため読み」が不可能なテーマもある
「かため読み」ができないテーマも、当然ながらあります。
たとえば、私自身の場合でいくと、難解な哲学書は「かため読み」できません。「西田幾多郎」とか半年かかっても1冊終わりません。誰か助けてほしいです。
また、数学や物理学などのテーマは、式を解くなど自分で実習をしていかないと意味がないこともあり、「かため読み」は困難です。
まとめ
速読の法則と、その応用として「かため読み(固め読み)」の手順を紹介しました。
毎年毎年、気長に教養を深めていきましょう!
お役に立てば幸いです。
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