コンピュータやインターネットの知識は、専門的で変化が激しく、たとえばセキュリティとか、いまひとつ目に見えなくて、よくわからない、怪しい、エタイのしれない印象をもっているヒトも多いでしょう。
IT業界や、ネットに興味があるヒトに向けて、それらの知識の特徴・傾向と、効率よく吸収して積み上げていくための対策を紹介します。
雑学が大量に集合
コンピュータやインターネットの技術、知識は、そのイメージの通り、激しく変化していきます。
その発信源の中心はアメリカ西海岸ですが、細かな技術は世界で同時多発的に似たようなものが大量発生し、そのほとんどが淘汰されていきます。
逆にいうと、体系化される暇なく消えていくか、変化・進化してしまうことがとても多いのです。よって、長年に渡って体系化が進んでいる数学や物理、化学などの学問に比べると、体系がありません。つまり、これがわからないとあれがわからない、のような構造もあまりありません。
よって、雑学が大量に集合したようなイメージが浮かんできます。
変化していくが、知識の「積み上げ」はできる
しかし、激しく変化していくから、知識の積み上げが効かないか、というとそうでもありません。新しく出た技術は多くの人に使われなければ、淘汰の波に消えていきます。これは特にソフトウェアの世界で顕著に現れます。
たとえば、昨今次々と登場しているプログラム言語をみていくと、「C」か「C++」に似たものしか出てきていません。
これは、少なくとも30年ぐらい続いている傾向です。
真に革新的なプログラム言語は、だれも使えないために使い始めるヒトが少なく、淘汰されていってしまうのです。いままで別のプログラム言語を使っていたヒトが、よりカンタンにより早くより生産性が高まるようなものを求めるので、必然的に従来のものに似ているけどスゴイ、という技術ばかりになります。
すべてを覚えることは不毛
雑学が大量にあり、そのすべてがそれぞれに変化、進化、淘汰することから、すべてを覚えるということがだれにもできず、かつ不毛なこととなります。
これは、覚えれば試験に受かる世界をクリアしてきたヒトにはそれなりのパラダイムシフトを強いることになります。価値観を変えざるをえないのです。
その対策を1つあげるとすれば、「調べ方だけを覚える」という技を身につけることです。それ以外の知識、つまり、中身を含めて調べ方以外の知識を捨ててしまいます。その場で忘れてしまわないと、次の知識が入りません。
人間の頭脳には入る量の限界があります。できる限りスリム化してゴミは捨てておかなければなりません。
ポイントだけを選択的に自分の中に残していく技術も、身につける必要があります。これは2つの点で習得に時間がかかります。
一つは、その知識の重要度と寿命を見抜くこと、もうひとつは過去にあった技術やその経緯を組み合わせて新しいものを理解すると理解スピードがジャンプアップすることです。
シンプルなルールの繰り返し
コンピュータやインターネットの知識について、もうひとつの特徴は、シンプルなルールを繰り返し、組み合わせて使う技術、理論が非常に多いということです。
たとえば、HTMLの書き方は、2つだけです。2種類のルールですべてのHTMLの書き方を表現できるのです。
CSSの書き方は1種類です。1つの書き方を組み合わせ繰り返し使うことで、複雑な表現を実現します。
これには、理由があります。
2進数の足し算と掛け算で、すべてを表現
いまのコンピュータが、シンプルな計算を繰り返し高速に行うことを得意としているからです。「ノイマン型」という言葉も参考になるでしょう。
少し乱暴な説明になりますが、いまのコンピュータは原理的に言うと、0と1、つまり、2進数の足し算と掛け算で、すべてを表現しています。これをものすごく早くたくさん計算するので、複雑な計算をしたり、美しいグラフィックを表示したりすることができるのです。
先に例に出したプログラム言語をみていると、楽譜によく似ていると感じます。
- ルールはごくごくシンプルです。
- それは全世界統一ルールです。
- 重厚なオーケストラから、ロックもジャズもラップも表現できます。
ルールはシンプルですが、その使い方、組み合わせ、繰り返しかたには、無限の可能性があり、そこにクリエイティビティがあります。
まとめ
インターネット業界やコンピュータの知識について、初心者、初学者に向けて、その全体的な性格、特徴とそれに対応する策を紹介しました。
お役に立てば幸いです。
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